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屋根工事の「種類と工程」について
2021.2.18リフォームのコト
屋根工事の種類について
こんにちは!本日は弊社で行っている屋根工事の種類、工種についてお話いたします。屋根工事の工種は大きく次の4つに分類されます。一つ目が「塗装工事」、二つ目に「上葺(うわぶき)工事」、次に「葺替(ふきかえ)工事」、そして「葺直(ふきなおし)工事」の計4つです。上述のものは全体の補修工事名で、細かな補修や茅葺き屋根などの特殊な補修工事も含めるとさらに分類は増えますが、現在の一般的な屋根に行う補修工事として、屋根全体の補修方法からこの4つをこの記事では取り上げます。
工種の分類
まずはざっくりと屋根工事の分類ごとに特徴を見ていきましょう。
上記図は屋根工事の種類についての簡単な説明です。一般的に考えられるメリットやデメリットも合わせて工事概要を説明しています。屋根工事は大きな工事ではありますが、構造部に手を加えるような工事ではないため、文章でもご理解いただけるような内容ではないかと思います。しかし、少しでも詳しく!ということで下記に図を用意しました。こちらは簡略化した図による工程イメージとなっています。あくまでもイメージですので実際の屋根の状況や施工会社によって工事内容に違いがあると思います。詳しい工程内容はまた別の記事を作成して工事ごとに掘り下げていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
屋根塗装工事について
- 高圧洗浄機で水洗いを行い、苔やカビをはじめとした汚れをそぎ落とします。その後、下地の
補修や附属設備の養生を行います。 - 最初の塗装は下塗りです。下塗りはその後の中塗りや上塗りの密着性が高まるように下地の
状態に合わせた塗料を塗ります。また縁切りという処理も行います。
縁切りについてはコチラ→「スレート屋根塗装時に大切な縁切りについて」 - 下塗りが終わると中塗りや上塗りといった工程を踏み、塗料を重ねていきます。また、雪止めなどの附属設備の取付や処理を行います。
以上が屋根塗装の簡単な工程です。工事内容や状態によっては作業が増えていきます。屋根塗装の工程の中で大切とされるのは「水洗い」と「縁切り」です。水洗いはその後に行う塗装工事の仕上がりと耐久性を決める大切な工程です。塗料の性能を正しく発揮するために屋根を良くキレイにしておく必要があります。また下塗りを行った後には縁切りと呼ばれる、屋根材の隙間を塗料が覆わないように切り離す作業を行います。この工程により雨水が正常に屋根を流れていくことができます。
屋根上葺工事について
続いて屋根の上葺工事です。こちらは近年「カバー工法」などとも呼ばれ、既存の屋根に対して新しい屋根材を重ねる工法です。撤去する屋根材は一部分のみなので、施工期間も短く、また廃材も少ないという点から環境にも優しいということができます。要点としては屋根を重ねることで屋根重量が増加してしまうという点です。こちらは避けることができない点ですが、カバー工法に用いられる屋根材はガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板といった軽量な金属製のものがほとんどです。金属屋根材はスレート屋根材に比べてわずか1/3の重量なので、重ねる屋根材の選択肢を間違わなければ重量のことを気にするほどのことではないでしょう。
- 上葺工事をする際にはまず棟やケラバ、軒先に設置された附属品の撤去から始まります。また、太陽光パネルや雪止めといった設備も撤去し、起伏のない状態にします。
- 附属設備を撤去すると、野地板とルーフィングを貼ります。屋根材のみを重なる上葺工事もありますが、この工程により下地と防水性能の強化ができるため、築年数によっては必須となる工事です。
- 下地の処理が終わると、屋根材と部材の設置を行います。まずはスターターと呼ばれる屋根材設置の起点となる部材を取りつけ、屋根材本体を屋根の形に合わせてカットしながら取り付けます。棟板金や附属設備を設置すると完了です。
屋根葺替工事について
葺替工事は既存屋根材から新しい屋根材へ交換する工事です。上葺工事と違い完全に撤去することで時間とコストはかかりますが、より軽量な屋根を築くことが可能です。瓦屋根から軽量屋根への交換工事が多く行われ、重量を約1/6まで減少させることが可能です。地震などの災害に対して、リスク回避に葺替工事を選択するケースも多くあります。
- 瓦屋根を下ろしていきます。漆喰を取り外し、瓦を取り外します。瓦の下にある葺き土などの下地も下ろします。
- 次に下地の補強を行います。既存下地の状態や雨漏りの有無などを考慮しながら、新しく野地板とるルーフィングを設置します。
- 新しい下地の上に新たな屋根材を設置します。
屋根葺き直し工事について
屋根葺直工事は上述の3つの工法とは毛色が違い、既存屋根材を取り外して下地の強化補修を行った後、再度設置する工事です。屋根材は瓦でもスレートでも行うことは可能ですが、スレート材は瓦に比べて耐久性が低く破損などを起こす(または起こしている)場合があるので、向いているとは言えません。瓦のように長い耐久年数があり、特徴的な美しさを持った屋根材に有効な工事となります。
- 瓦を一時撤去します。葺き直しは一度取り外した瓦を再度葺くため慎重に取り扱います。破損がある瓦は補修か差し替えを行います。
- 下地が出るまで撤去をすると状態に合わせて補修を行い、野地板やるーふぉんぐの新規設置を行います。
- 瓦を積み直していきます。古い瓦屋根では葺き土の上に瓦を施工していたものが瓦桟を用いた設置となるため、軽量化にもつながります。
まとめ
以上4つの工事内容について簡単にご紹介いたしました。屋根の状態や施工会社によっては工事内容に違いがでるため、あくまでも簡易的なものとしてご参照ください。
屋根に関しては話題が豊富なのでこれからはもっと詳しいこともお話していきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。
それでは、さようなら!
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