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床排水?壁排水? トイレの排水方式について
2023.2.5リフォームのコト
トイレリフォームの大切な確認点「排水方式」
トイレには「床排水」「壁排水」と二種類の排水方式があります。普段は気にすることのない排水方式ですがトイレの交換工事を行う際には非常に重要なポイントです。そんな排水方式の違いや重要なポイントについてこの記事ではまとめています。
壁排水と床排水
壁排水と床排水があるトイレですが、見分け方はとっても簡単です。トイレの背後から壁に向かって配管が出ているものを壁排水と呼び、トイレの内部から床下に配管が進んでいるものを床排水といいます。つまりこの排水方式の違いとは排水管が壁と床のどちらにむかっているかという単純な点にあります。
壁排水:トイレの後ろ側から壁内に排水管が接続されているもの
床排水:トイレの内部から床下に排水管が接続されているもの
壁排水の特徴について
壁排水は主にマンションなどの共同住宅で用いられている排水方式です。公団住宅などでも用いられているほか、一部の戸建て住宅にも採用されているため、一概に壁排水ならマンションというわけではありません。壁排水は便器から壁側に配管が伸び、壁内を縦に通る排水管に接続されています。壁へのびる配管は塩化ビニル製の物もありますが、ゴム製の蛇腹ホースもよく用いられています。
また、上記のように壁排水と一口に言っても、3種類の排水タイプがあります。マンションなどの集合住宅に多い壁排水なので、その建物の配管がどのようにめぐっているかにより排水の位置関係が変わります。
床排水の特徴について
床排水は戸建てとマンションのどちらでも用いられる主流な排水方法です。トイレの内部から床下へ配管が下りるため、すっきりとした見た目をしています。床下へと落とすように排水するため、排水力も安定しています。
壁排水と床排水のどちらがいい?
排水方法は建物が建設される時点で決まっています。そこにどちらがいいというほどの差は存在しませんが、見た目のスッキリとした床排水が現在主流となっています。この二種類の排水方式が関係するのは、トイレの交換工事を行うリフォームのタイミングです。壁排水と床排水に合わせてトイレもそのタイプを変更しなければいけません。商品によってはどちらかの排水方式しか選べないモデルも存在しますので、カタログを見る際にはご自身のトイレのタイプを知っておくと便利かもしれません。
排水芯と排水高
トイレの交換前に排水方式と一緒に確認する項目として「排水芯」と「排水高」があげられます。この点に関してはトイレ交換前に業者が確認することなので、お客様が行うことはありませんが、業者との会話で出てくる機会もありますし、トイレ交換と排水の関係性が分かるので知っておくと便利なキーワードです。どちらの単語も排水の位置関係を示すものです。そして、排水芯は床排水に用いられ、排水高は壁排水に用いられる言葉です。
排水芯について
床排水のトイレに関係する排水芯とは便器の背後にある壁から排水管の中心までの距離のことです。
この距離を測り排水管の位置を把握することで、トイレ交換時の配管接続方法を決めることができます。ということはトイレを一度外してみないと配管の接続方法が分からない?と思われるかもしれませんが、トイレがある状態でもこの排水芯を測ることができます。その方法はトイレの品番の確認、またはトイレを床に固定しているネジの大きい方の中心と壁までの長さを測定するというものです。
品番の確認
品番を確認し、メーカーの情報と照らし合わせることで排水芯の位置を含め、その製品の仕様を確認することができます。便器とタンクにそれぞれ品番が記載されたシールが貼られています。便器の品番は主に正面から左の下部に貼ってあります。新しい便器ではQRコードがついているため、簡単に情報にアクセスすることができます。メーカーや年代によってシールに記載されている情報が変わりますが、「品番」や「製品番号」というかたちで一般的には一番上に記載されています。メーカー名と合わせて検索することで、製品情報を知ることができます。トイレ奥の狭い場所にシールがあるため、携帯電話で写真を撮るとラクに確認ができ、後の検索時にも活用ができます。
トイレの固定ネジから計測
品番のシールがない場合などで情報にアクセスができない際には、便器の設置外観から計測をすることができます。壁から便器を固定するネジまでの長さを測ることで排水芯の計測をすることができます。
このネジはキャップがかぶされており、サイズが大小に分かれています。計測する際は大きい方のキャップで測ります。また、キャップが一つの場合はその中心から壁までの長さで排水芯を計測します。
排水高について
排水高は壁排水のトイレ交換時に測定する項目です。壁排水の場合は露出しているため直接計測を行います。
排水芯と排水高を測ることで!
排水芯と排水高が分かると設置方法が決まります。といってもその位置には多くの種類があるわけではなく一定の規格サイズかそれ以外のものかを調べるためのものです。排水芯の場合は200mmを基本的なサイズとし、それ以外のサイズではアジャスターと呼ばれる配管接続の調整配管を用いて設置します。排水高は120mmまたは155mmを基本とし、それぞれ揺れ幅をアジャスターにて調整します。
上記のように200mmを超える排水芯があるとアジャスターによってトイレと配管をつなぐことになります。
アジャスターはメーカーによって長さが違いますが250mm〜350mm程度のスパンを最大で延長することができます。このアジャスターを切断し、必要な長さに調整することでトイレの排水と排水管の接続を行います。
このアジャスターはリフォーム用のトイレにて用いられます。トイレの品名の後に「リトイレ」や「リモデル」とついているものはこの様な付属部品によって排水位置の調整が可能です。しかし、アジャスターを使っても排水芯に届かない場合があります。その際には便器自体を前に出すしかありません。便器を前に出してしまうので、トイレが狭くなってしまうことにつながります。
まとめ
今回はトイレ交換時に耳にする「壁排水」と「床排水」、ならびに「排水芯」と「排水高」についてまとめました。トイレ選びの参考になれば幸いです
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