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ラジカル塗料Vol.1 「ラジカル」ってなんだろう?
2022.1.10リフォームのコト
ラジカルとは?
ラジカルという言葉は近年様々な分野で聞かれるようになりました。ラジカルとは不対電子を持つ原子や分子、イオンを持つもの(Wikipediaより)という説明がされるもので、フリーラジカルという言葉になじみがある方もいらっしゃるかと思います。フリーラジカルは活性酸素と同じ枠組みでとらえられ、健康問題に触れる際に体内内部で生成される老化促進物質として紹介されています。実際にはラジカルは身体活動に必要な物質でありますが、不健康かつ不規則な生活習慣やストレスなどにより過剰生成された場合に身体への害を持つもので、「身体の酸化」や「抗酸化」というフレーズとともに聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
ラジカルの科学的話
通常の原子は原子核の軌道上にペアの電子を持ちます。このペアの電子はそれぞれ逆のスピンを持ち、互いのスピンを打ち消しあうことで安定した状態を保つことが出来ます。
フリーラジカルと呼ばれる状態はこの電子のペアが崩れ、不安定な状態に陥った原子や分子のことです。ラジカルはペアになっていない電子(不対電子)を再びそろえて原子として安定するために周囲の原子から電子を奪っていきます。そうすることで他の原子がラジカル化し、新たに周りから電子を奪うという「ラジカル連鎖反応」を引き起こします。
ラジカルがほかの原子から電子を奪っていくことを「酸化」といいます。ラジカルによる人体の酸化は食事や嗜好品、運動などの様々な要因によって引き起こされます。
ラジカルが人体に引き起こす健康被害
ラジカルが人体に引き起こす健康被害は下記のように廊下によって引き起こされるものと関連があります。もちろん、ラジカルによってすぐにこういった被害があるというわけではなく、重度の病気に罹患する背景にはラジカルによる酸化現象があるということです。世に聞く抗酸化などのブームはこのような被害につながる原因物質の抑制が健康に大きくつながるという観点から起こっているのです。
抗酸化力を高める解決策
抗酸化力を高めるためには心身ともに健康な暮らしが必要とされています。ストレスの軽減や定期的かつ適度な運動、禁煙やほどほどのお酒が推奨されています。しかし、ストレスの軽減や運動する時間の確保など、自身では解決できない点も多く、ラジカルの発生は社会の起因する現代病のひとつのように感じます。
そこで抗酸化作用のある栄養素を含んだ食品を摂ることが比較的簡単な解決策になります。ビタミンやポリフェノール、ミネラルなど身体の健康促進には欠かせない食品ばかりです。
抗酸化作用のある食べ物
■ビタミンA
トマト・ほうれん草・ピーマン・ブロッコリー
ビタミンAは皮膚や目の健康に欠かせない栄養素で抗酸化作用のあるβ-カロテンを多く含んでいます。
■ビタミンC
緑黄色野菜・じゃがいも・果物(特にキウイフルーツ、イチゴ、かんきつ類)
おなじみの栄養素ビタミンCは熱に弱く水溶性のため、加熱調理を行わない食事方法がおススメです。
■ビタミンE
植物油(ひまわり、やし、ベニバナ油など)・種実類(ごま、アーモンド、ピーナッツ類)
油に溶けやすい性質があり、油とともに体内に吸収されやすくなります。
■ポリフェノール類
プルーン・リンゴ・赤ワイン・コーヒー・紅茶など
フルーツの場合は実の部分よりも色鮮やかな川の部分に多くポリフェノールは含まれています。
■ミネラル類
海藻・魚介(まぐろ、牡蠣、イワシの丸干し・干しエビ)・納豆・レバー
亜鉛や銅、セレンなど抗酸化酵素の生成や活性に関わり、その効果を高めます。
■カロテノイド
緑黄色野菜や赤色などの色鮮やかな果物
濃い色合いの野菜や果物がもつ色素には抗酸化力の強い栄養素が多く含まれています。
紫外線によるラジカルの発生
紫外線はポジティブな面とネガティブな面がある人間にとってアンビバレントな存在です。温かい日差しを浴びることでビタミンDが皮膚科で生成されることにはじまり、殺菌作用やセロトニンの分泌促進と心身ともに良い効果を見込むことが出来ますが、反面シミや日焼けといった美容面で気になる点が多いものです。この紫外線のデメリットも前述のラジカルが関わっています。
紫外線には3種類あり、UV-A波とUV-B波、UV-C波とA-B-Cに分かれています。紫外線は肉眼で見ることのできない短い波長領域にある光ですが、「長-A」「中-B」「短-C」と波長によって3つに分類することが出来ます。その中でUV-C波はオゾン層に吸収されるため地上に到達することはありません。よってA波とB波の2つの影響についてここでは記載します。
■UV-A波
光の波長が380〜320㎚のものをUV-Aタイプと呼びます。この紫外線は最も深く肌内部へ浸透し、メラノサイトを刺激することでシミの原因を作り、コラーゲンやエラスチンという弾性繊維を破壊することでシワやたるみを引き起こしてしまいます。
■UV-B波
320〜280㎚の中波領域のものをUV-Bタイプと呼び、280㎚を下回るものをUV-Cと分類します。UV-Bは日差しを浴びたあとの肌のほてりや赤みを生み、シミやそばかすなどの色素沈着や炎症を引き起こします。
このような炎症や赤身を引き起こす繊維の破壊は、紫外線を肌に浴びることで発生するラジカルによる酸化作用によるものです。夏場大活躍の日焼け止めはこの紫外線を肌表面でせき止めて、内部への影響を働かないようにする効果があります。
これはラジカル塗料の持つラジカルの発生抑制効果と似た仕組みを持っています。ラジカル塗料がどのようにラジカルを抑制しているのかという話は次回のVol.2にてお話しいたします。
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